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消化酵素のサプリで太るには

皆様大変お久しぶりです。体重増加コーチの大畑です。

太る指導を行う専門会社SMARTGAINを立ち上げて既に8年たちます。2年ほど前から体重増加プログラムに参加者する方が著しく増えて、多忙な状態がずっと続いていおります。ブログ更新もなかなかできずにおりますが、ゆっくりでも更新を続けますので、時々チェックしていただければ幸いです。

今回の記事は、最近聞かれることの多い消化酵素のサプリメントにスポットを当てます。


消化酵素を飲めば太れるか?

消化酵素の量が増えれば消化する力も上がると考えられるので、痩せていることに悩む人の中には、太ること期待して市販の消化酵素サプリを飲む方がいます。

ところが、これで太ったという話はあまり聞きません。

酵素が足りないから痩せているはず。

なのに酵素を取っても何も変わらない...

いったい何故でしょうか?


メインの消化は小腸で行われる

はじめに、消化の仕組みについてやさしく学びましょう。

消化は口から小腸の間で少しずつ段階的に行われます。

まず、唾液に含まれる形で消化酵素が分泌され、おもに炭水化物の消化しやすい部分が口の中で消化されます。

そのあと胃液に混ざって消化酵素が分泌されます。胃の中ではタンパク質が消化しやすくなるように大まかに分解が行われます。

胃の酸性度はとても高いですし、酸は物を溶かすイメージがあるので、みなさんの中には、消化は主に胃で行われると思っている方も多いと思いますが、実は胃で全てが消化されるわけではありません。むしろ、本格的な消化に備えた「下処理」のような段階です。

その後、十二指腸で膵液として消化酵素が分泌され、膵液によって小腸内で本格的に食べ物を消化されるのです。

つまり、胃を通過した後で本格的な消化が行われるのです。


胃の中ではあまり効かない消化酵素

消化酵素には様々な種類がありますが、効きやすい条件(温度と酸性度)が異なります。

胃の中に分泌されるものは強い酸性で最も効き目が強くなり、それ以外の、口内や十二指腸に分泌される大半の消化酵素は中性(ph7)で最も効き目が強くなります。

ところが、サプリメントに含まれる消化酵素はアミラーゼやプロテアーゼなどph7付近で活性が高まるものしか普通は入っていません。

胃の中は、これら酵素の効果が出る酸性度ではないので、せっかくサプリとして取っても胃の中で消化を促進する作用はあまりないのです。


酵素は胃を通過すると効き目が落ちる

胃の中で効果が出ないなら、胃から腸に出た時点で効果が出ると思うかもしませんが、残念ながら、酵素は小さな分子のタンパク質であるため、消化酵素自体が胃のなかで徐々に分解されたり変性してしまうのです。

つまり胃の中で時間が経てば経つほど効果がなくなってくるため、消化酵素が効率よく働く環境が整った十二指腸や小腸に到達する頃には、酵素自体の効き目が胃酸の影響で落ちてしまうのです。


それでも効く場合もある

ここまで読んだ方は、「それじゃあ消化酵素のサプリを飲んでも効果がないのか」と思ったかもしれません。

理論の一面から見た場合は殆ど効果がないとも言えるので、医師のような専門家の中にもそのような考えを持つ方がいるようです。実際、「消化酵素は効かない」と医師に言われたという方も体重増加プログラムの参加者にはおりました。

ですが、実はそれでも効く場合があります。

胃の中の酸性度はいつも同じなわけではなく、その時の状況で変わるからです。

例えば、食後しばらくの間は食べ物や食事時の水分量で胃酸が薄まるため、一時的に酸性度が下がります。

痩せ体質の中には胃酸の出が悪くて食べ物の消化が悪い方がいますが、特にこのような方は一般の人以上に食後の胃の酸性度は下がります。

また、食べる量によっても胃酸の濃度は変わります。一度に食べる食事量や水分量が多い場合は、胃の酸性度は一時的にですが顕著に下がります。

その酸性度が下がった状態で、有効成分量の多い消化酵素を飲めば、ある程度は消化を促進させる作用はあるのです。

私自身も様々な体重増加方法を試行錯誤するなかで消化酵素も試しました。結果としてはある程度の効果はあると感じています。ただし、製品や飲み方で効き目はかなり変わってしまいます。


消化酵素を飲むならタイミングが重要

消化酵素を飲むなら、タイミング、食事量、水分量、温度に気を配りましょう。

まずタイミングですが、胃の酸性度が下がった状態で飲むのが効果的なので、食後直ちに飲む必要があります。

食事量も関係します。少量の食事だと胃の酸性度があまり下がらないし、そもそも自分で分泌する消化酵素だけで消化できる可能性が高いので、少量の食事時に酵素をとってもあまり意味がありません。

水分量にも気を使いましょう。

痩せ体質で消化力が弱い方の場合は、消化力をなるべくキープするためには食事時の水分量は少なめにする方が酵素が薄まらないので良いのですが、市販の消化酵素に含まれる酵素は酸に弱いので胃酸をある程度薄めるためにもコップ1杯ほどの水分と一緒に消化酵素を飲むと良いでしょう。

食事時の水分量が多すぎるのも消化には良くないので、多量に飲むのはむしろマイナスです。食事中は1杯ほど(スープなども含めて)、食後の酵素と同時にさらに水を1杯程で良いでしょう。ただし、カラダ作りに水分は重要なので、食間にはきちんと水分を取りましょう。

酵素の効き目には温度も関係があるので、冷水で飲むのはお勧めしません。常温又はぬるま湯が良いでしょう。もちろん食事も冷たいと効果が下がります。


もっと重要なのは酵素選び

飲み方以上に重要なのは、製品選びです。製品によって有効成分の量が大幅に違い、効き目もかなり違うからです。

後述する理由から消化酵素はそれほどお勧めするわけではないのですが、もし飲む場合は以下のガイドラインに従って製品を選ぶと良いでしょう。

  • 植物性の酵素の場合は成分量が多い製品を選びましょう - 植物性の酵素の場合は、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなど、それぞれの消化酵素がどれだけ入っているかをチェックし、有効成分の量の多いものを選びましょう。
  • 動物性の酵素は換算値の高いものを選びましょう - パンクレアチンなど動物性の消化酵素の場合は、そのままでは比較できないのですが、アミラーゼやリパーゼにに換算するとどれだけの効き目があるかというデータが通常はラベルに書かれているので、それを参考にします。
  • 酵素の成分量が明示されていない商品は体重増加目的では避けましょう - 酵素の成分量が書かれていない製品は、どの酵素がどれだけ入っているかをメーカー自体が知らないということです。酵素が含まれる天然の食品(例えばパパイヤ、パイナップルなど)を乾燥パウダーにしてカプセルに詰めただけのものが「消化酵素」として販売されている場合があるのですが、これらは消化酵素というよりもただの乾燥食品です。酵素も微量含まれてはいるでしょうが、酵素だけ抽出して濃縮しておらず、単純に酵素が含まれた食品のパウダーが入っているだけのものはさすがに消化力を上げる効果はないと考えられます。
  • 胃が痛くなりやすい人は塩酸ベタインが含まれていないものを選びましょう - 胃酸の濃度を上げる塩酸ベタインが消化酵素に添加されている製品がありますが、胃酸の濃度が低すぎる人には効果的でも、胃酸が普通に出る人や、胃酸の影響で胃が痛くなりやすい人には胃痛の原因になることがあるので、胃が痛くなりやすい人は避けた方が無難です。

一部の製品には体内のphを考えて設計されているものもあるようなので、そのような製品も効果的かもしれません。


あなたには消化酵素は必要ないかもしれません

私は体重増加コーチとして多くの方を指導していますが、消化酵素の利用を勧めることは稀です。

長年痩せて悩んでいるような方でさえ、大半の方は酵素なしでも体重を増やすことができますし、逆に、消化酵素を飲むだけで簡単に太り始める方も殆どいません。

痩せている/太っているなど身体の現状は、体質だけでなく生活状況も影響した結果なので、生活状況を変えずに何かを飲んでも、簡単に体重が増える結果にはならないのが実情です。

多くの場合、フードコントロールやトレーニングが必要になります。

とはいえ、消化酵素が効果的な場合もあります。例えば、極端な痩せの大食いの人です。体重増加プログラムに参加される方の多くは、計算してみると実際のカロリー摂取はそれほど多くなかった事が分かる傾向があるのですが、中には普段からたくさん食べているにも関わらず体重が長年変わらない方もいます。

本当に沢山食べても体重が長年変わらない方なら、利用を検討しても良いでしょう。具体的には、カロリー体重比(※)が50を超えているにも関わらず体重が全く変わらない場合は消化酵素が一時的に必要になるかもしれません(私が指導した事例では、それでも必要ない場合もありましたが)。

※ 1日の平均摂取カロリーを体重(kg単位)で割った値。例えば、1日の摂取カロリーが3000kcalで体重50kgならカロリー体重比は60になります。


宣伝です。「消化酵素を飲んでも太れなかった」「太りたいけど何をしていいかわからない」そんな方は、私の指導する体重増加プログラムへの参加を是非ご検討ください。単純に消化酵素を飲むとったことではなく、現在のライフスタイルと体質を把握した上で、フードコントロールやトレーニングと合わせて計画を立て、指導しています。